ポール・ニューマン主演の「ハスラー2」で、ナインボールの恐るべき才能を持ったトム・クルーズ演じる若者に、彼が差し出したキューの名前がバラブシュカ。
日本で言えば、名刀正宗といったところか。馬渡松子はインタビューで「バラブシュカとは魔法の杖のこと」と答えていたが、そのほうがイメージとして伝わりやすいかも知れない。
自分だけが知っている値打ちモノを信じる、要は自分を持とう、という意味の詞だが、このメロディを渡されたときに、馬渡松子のメロディメーカーとしての才能を再認識した曲でもある。
コケティシュ&コミカル&ポピュラリティに富み、しかも今までのメジャーシーンでは耳にしたようなことがない旋律だった。このメロディに詞を書ける、贅沢な悩みを抱えながら、まるで呪いの旋律のようなサビにハマる言葉を考え、降りて来たのがバラブシュカだった。のちにアルバムタイトル名、ツアータイトル名にもなったバラブシュカ。
曲終了の際に流れるざわめきは、この曲のためにレコード会社が巣鴨まで行き、ワゴンに群がるオバサン達の声をマイクで拾ってきたものである。

from 4th バラブシュカ

バラブシュカ

満たされた胸の中ほど足りないものがある それは「満足」
今宵もキリのない夢に酔いしれるのさ 不埒に
カタログはボロボロ 物欲の天使 手を組もう
探し物 見つかるまでは底なし沼に 深く深く沈む
知らず知らずのうち 右の頭ん中
インプットされていた幻のstick


バラブシュカ バラブシュカ どこに眠る 答えて
誰にもまだ教えてない 私ひとりのブランド


誰もが群がるワゴンに足が向かない ひたすらあまのじゃく
霞煙るとき向こうから現れるよ 必ず
ガラスケース彩る 妄想の悪魔 綺麗だね
お金で塗りたくる心は メッキのもろさ
剥がされたらキツい
いつもいつも枕元で夢見ては
抱きしめている 伝説のstick


バラブシュカ バラブシュカ この瞳に 宿るよ
いつかはみんなに見せたい 私ひとりのこだわり








バラブシュカ バラブシュカ